在window上如何使用CPPUnit?
*CPPUnit下载
2.2 CppUnitをインストールしてみよう
本節では、本家CppUnitのダウンロードから、2.1節であげた各環境でのインストールまでを説明します。
■■■2.2.1 CppUnitをダウンロードしよう
CppUnitは基本的にソースコードからコンパイルして、インストールします[1]。
RPMバイナリは存在しますが、公式に配布されてはいません。SRPMから作った方が無難でしょう。SRPMの話については、2.2.1項の後半で紹介します。
ここではまず、オリジナルソースコードのダウンロードについて紹介します。ともかく、「!CppUnitプロジェクトホームページ」に行って、「Latest File Releases」コーナーを見てください【図2.2.1】。そのコーナー下のPackageの列にcppunitと書いてある行が目的のものです。その行の右の方にDownloadというリンクの貼られた文字列があります。ここをクリックしてください。
「CppUnit プロジェクト ホームページ」
http://sourceforge.net/projects/cppunit
【図2.2.1】CppUnit プロジェクト ホームページ画像
すると、ファイルリストのページに移動します。ちょっと下のほうに移動して、背景がピンク色になっているところを見つけてください【図2.2.2】。その真ん中のcppunit-1.8.0.tar.gzというのが求めるソースコードです。クリックしてダウンロードを開始してください。
【図2.2.2】ファイルリストページ

途中、ダウンロード元を選ぶページが現れます【図2.2.3】が、気にせず適当に選んでダウンロードしてください。
【図2.2.3】ダウンロード元の選択ページ
無事、ダウンロードできましたでしょうか?
本家CppUnitはtar+gzip形式(tar.gzファイル)でしかファイルを配布していないので、tar.gzファイルを解凍できるプログラムが必要です。Red Hat LinuxおよびCygwin環境では問題ないでしょうが、Sun Solarisなどの商用UNIX OS、およびMicrosoft Windows XP/2000/NT/98/95では、別途GNUパッケージか、tar.gzファイルに対応した解凍ソフトウェアを導入する必要があります。
Sun Solarisでは、最近Webサイト「Sunfreeware.com」でGNUパッケージを配布しているので、ここに登録されているものを利用するのが楽でしょう。
「Sunfreeware.com」
http://www.sunfreeware.com/
Windows上では「eo」というフリーの解凍ソフトウェアがお薦めです。大抵のアーカイブがこれ一発で解けるので、大変気に入っています。「eo」は「BEAMbitiousホームページ」からダウンロードすることができます。
「BEAMbitiousホームページ」
http://member.nifty.ne.jp/beambitious/
■■■2.2.2 GNU C++でのインストール
まず、もっとも基本的な、ソースコードからのインストール方法について説明します。
GNUから配布されているオープンソースソフトウェアのインストールの基本は、展開→configure→make→make installです。make後、make checkを実行してテストすることもありますが、本書ではテストについては節を分け、次の2.3節でまとめています。
■■■■ソースコードの展開
ダウンロードしてきたファイルの解凍から始めます。まず、適当な場所にcppunit-1.8.0.tar.gzを置いてください。作業場所と同じ場所でも、特定の置き場でも、どこでも構いません。ファイルの大きさとしては、300KB強くらいなので、都合のよいところに置いてください。ソースコードの方は展開して構築すると数十MBにもなるので、余裕のある場所を作業場所にしてください。
ファイル置き場と作業場所が決まったら、tarコマンドに、zオプション(gzip対応)、xオプション(抽出)、およびfオプション(ファイル指定)をつけ、先にダウンロードしてきたファイルを引数として指定し、実行してください。【図2.2.4】に、ダウンロードファイルと同じ場所に展開した例を示します。tarコマンドがGNUのものではなく、zオプションがない場合には、「zcat+tarにリダイレクション」か「gunzipで一旦伸張したものをtarに渡す」かしてください。
【図2.2.4】ソースコードの展開
bash-2.05b$ ls
cppunit-1.8.0.tar.gz
bash-2.05b$ tar zxf cppunit-1.8.0.tar.gz
bash-2.05b$ ls -F
cppunit-1.8.0/ cppunit-1.8.0.tar.gz
なんにしろ、cppunit-1.8.0というディレクトリができていれば成功です。このディレクトリに、移動してください【図2.2.5】。
【図2.2.5】cppunit-1.8.0ディレクトリへの移動
bash-2.05b$ cd cppunit-1.8.0lsコマンドで、中身を確認してみましょう【図2.2.6】。
【図2.2.6】ファイルの確認
bash-2.05b$ ls -F
AUTHORS INSTALL-unix TODO cppunit-config.1 examples/
BUGS Makefile.am aclocal.m4 cppunit-config.in include/
COPYING Makefile.in config/ cppunit.m4 src/
ChangeLog NEWS configure* cppunit.spec
INSTALL README configure.in cppunit.spec.in
INSTALL-WIN32.txt THANKS contrib/ doc/
中身が同じであればひとまずOKですが、それだけでは何なので、簡単に中身を説明してみます。
AUTHORS, BUGS, COPYING, ChangeLog, INSTALL, ISNTALL-WIN32.txt, INSTALL-unix, NEWS, README, THANKS, TODOはドキュメント類です。詳細なドキュメントは、docディレクトリに格納されています。中を眺めるとそれなりに面白いのですが、ここではとりあえずREADME, INSTALL、およびINSTALL-unixだけでも眺めておいてください。特にINSTALL-unixには、環境別の注意事項がまとめられていますので、要チェックです。AUTHORSに書かれている作者の方々への感謝もお忘れなく。ありがたやありがたや。
【図2.2.7】AUTHORSの中には作者たちのお名前が…ありがたやありがたや。
Michael Feathers <mfeathers@objectmentor.com>
Jerome Lacoste <lacostej@altern.org>
E. Sommerlade <eric@sommerla.de>
J.E. Hoffmann <je-h@gmx.net>
Baptiste Lepilleur <gaiacrtn@free.fr> <blep@sourceforge.net>
Bastiaan Bakker <bastiaan.bakker@lifeline.nl>
Steve Robbins <smr99@sourceforge.net>
Makefile.am, Makefile.in, aclocal.m4, configure, configure.in, coounit-config.in, cppunit.m4, cppunit.spec.inなどのファイルはautoconf/automake関連の設定ファイル、あるいは作業ファイルです。configディレクトリにも関連ファイルが入っています。cppunit-config.1はcppunit-config(1)というコマンドのマニュアルファイルです。cppunit.specというのは、2.3.3項で説明する、パッケージ管理システム「RPM」に関連した設定ファイルです。
examplesディレクトリには、テストのサンプルコードが入っています。その一部は、cppunitそのものの単体テストです。このサンプルについては2.3節で紹介します。
contribディレクトリには、プロジェクトチーム外から提供されたツールなどが収容されています。cppunit-1.8.0では、Microsoft Visual C++関連のツールが入っています。ツールについては、XXXXX。
includeおよびsrcディレクトリが、cppunitの本体です。ここに入っている、ヘッダファイルと実装ファイルからライブラリを構築します。ということで、構築を進めていきましょう。
■■■■configure
ソースコードの展開が済んだら、次はconfigureスクリプトの実行です。configureスクリプトは、構築環境チェック・設定を行ってくれるスクリプトです。具体的には、コマンドやライブラリのチェックを行い、2.4節で説明するMakefileという構築用設定ファイルを生成します。より正確には、configureスクリプトそのものも、GNU autoconf/automakeというコマンドにより生成されるのですが、GNU autoconf/automakeについて詳しく知りたい場合には、別の文献[2]を参考にしてください。
configureスクリプトは、一般に使用されるオプションや環境変数を与えることで、設定を変更することができます。INSTALLファイルに(英語で…)ずらずらと書いてあるので、見てもらえるとよいのですが、難しいでしょうかね。よっぽど特殊な環境でない限り、そのままオプションなしで大丈夫だと思います。
インストールする場所を変えたくなって、「--prefixオプションを使う」という状況はままあります。【図2.7】に、インストール先を/home/mika/localとした場合の実行例を示します。
【図2.2.8】configureの実行
bash-2.05b$ ./configure --prefix=/home/mika/local
checking for a BSD compatible install... /usr/bin/install -c
checking whether build environment is sane... yes
checking for mawk... no
checking for gawk... gawk
:
中略
:
config.status: creating examples/hierarchy/Makefile
config.status: creating examples/cppunittest/Makefile
config.status: creating config/config.h
creating include/cppunit/config-auto.h - prefix CPPUNIT for config/config.h defines
/* automatically generated config/ contrib/ doc/ examples/ includeなお、--prefixオプションを指定しなかった場合の、標準のインストール先は、/usr/localです。
最後の方の出力で、各ディレクトリに対するMakefile、およびconfig/config.hが生成されているのが確認できれば成功です。
■■■■構築
各ディレクトリ内のMakefileとconfig/config.hが生成されたら、次はコンパイルして構築です。makeというコマンドを叩いて、しばらく結果を待つだけです。ここで、途中エラーが出ないことを祈りましょう。なーむー。
【図2.2.9】makeの実行
bash-2.05b$ make
Making all in src
make[1]: Entering directory `/home/mika/src/cppunit-1.8.0/src'
:
中略
:
make[1]: Leaving directory `/home/mika/src/cppunit-1.8.0/doc'
make[1]: Entering directory `/home/mika/src/cppunit-1.8.0'
make[1]: Nothing to be done for `all-am'.
make[1]: Leaving directory `/home/mika/src/cppunit-1.8.0'もしエラーが出ても、ヘッダファイルの調整くらいですめばいいんですけどね。どうしても自力でコンパイルが通せない場合には、本家に問い合わせてください。公開フォーラムとメーリングリストが存在します。
「CppUnitプロジェクト 公開フォーラム」
http://sourceforge.net/forum/?group_id=11795
「CppUnitプロジェクト 開発者メーリングリスト 参加ページ」
http://lists.sourceforge.net/lists/listinfo/cppunit-devel
「cppunit-devel過去ログ」
http://sourceforge.net/mailarchive/forum.php?forum_id=6698
■■■■インストール
できあがったライブラリやドキュメントをインストールするには、make installを実行します。
【図2.2.10】make installの実行
bash-2.05b$ make install
Making install in src
make[1]: Entering directory `/home/mika/src/cppunit-1.8.0/src'
Making install in cppunit
:
中略
:
make[2]: Leaving directory `/home/mika/src/cppunit-1.8.0'
make[1]: Leaving directory `/home/mika/src/cppunit-1.8.0'
■■■■できたかな?
さて、無事インストールできたか、--prefixで指定したディレクトリの下を眺めてみてください。以下のような、ファイルやディレクトリが確認できれば成功です。最低限、ヘッダファイルとライブラリが作成されていれば使用できるはずです。
bin/cppunit-config |
CppUnitの設定情報閲覧コマンドです。cppunit-config --libsとすると、ライブラリパスとライブラリオプションを返してくれます。そのほかのコンパイル時に必要なオプションは、--cflagsで返してくれます。 |
include/cppunit |
25個くらいのヘッダファイルが入ったディレクトリです。 |
lib/libcppunit.a lib/libcppunit.la lib/libcppunit.so |
ライブラリファイルです。場合によっては動的ライブラリ(lib/libcppunit.so)は作成されないかもしれません。動的ライブラリは、なくても何とかなります。 |
share/cppunit/html |
HTML形式のドキュメントが入ったディレクトリです。 |
share/aclocal/cppunit.m4 |
GNU automakeに含まれるコマンド「aclocal」が使用する設定ファイルです。現時点で気にする必要はありません。 |
man/man1/cppunit-config.1 |
cppunit-config(1)コマンドのマニュアル(man)ファイルです。man cppunit-configとして、このファイルの内容が表示されないときは、MANPATHを通すか、ダイレクトにnroffコマンドにファイルを渡して表示させてください。 |
おっと、まだ、このソースコードと作業ファイルの残った状態は、残しておいてください。次の2.3節で、examplesディレクトリに含まれるサンプルコードを使用するために必要です。
以下では、他の環境へのインストールについて説明します。興味がない場合には、このまま2.3節に進んでください。
■■■2.2.3 SRPMからのインストール
本節ではSRPMファイルから、CppUnitをインストールする方法を紹介します。RPMバイナリについても、Webサイト「RPMfind.net」などから検索・入手できますが、ライブラリなどの関係があるので、SRPMから作った方がよいでしょう。RPM以外のパッケージング形式(deb, pkgなど)については、著者の守備範囲外、かつ、パワーユーザが多そうなので、個人で対処してください。
「RPMfind.net」
http://rpmfind.net/
ソースコードとSPECファイルがあれば、RPM, SRPM形式のファイルを作ることができます。SPECファイルというのは、「ソースコードの展開」「環境に合わせたパッチ当て」「構築」「パッケージング」という一連の作業を自動化する手順を記述したファイルです。本書では、詳しい記述法などについは述べません。興味のある方は、別の文献[3]を参考にしてください。
ここでは、既にあるSRPMからRPMバイナリを作る方法を紹介します。SRPMは「RPMfind.net」から取ってきたcppunit-1.8.0-1.src.rpmを使用します。「RPMfind.net」でcppunitを検索するには、次のURLを利用するとよいでしょう。
「RPMfind.netでcppunitを検索」
http://rpmfind.net/linux/rpm2html/search.php?query=cppunit
なお、cppunit-1.8.0.tar.gz自体にも、SPECファイル「cppunit.spec」が含まれています。これは、RPMfind.netで配布されているSRPMに含まれるSPECファイル「cppunit.spec」とは、まったく別物です。どちらがよいとは一概にいえません。SPECファイルを使用する方法については、2.3.3項で触れます。
rootではなく、一般ユーザでRPMを作成する場合、構築環境を整える必要があります。具体的には、作業用ディレクトリを作成し、それらのディレクトリをRPM構築コマンドに教えるために、初期設定ファイルを作成します。
作成する作業用ディレクトリは、SPECS, BUILD, SOURCES, SRPMS, RPMSの5つです。
SPECSディレクトリ SPECファイルの置き場
BUILDディレクトリ 実際に構築作業を行う場所
SOURCESディレクトリ もともとのソースコードtar.gzファイルの置き場
SRPMSディレクトリ 出来上がったSRPMファイル(src.rpmファイル)の置き場
RPMSディレクトリ 出来上がったRPMバイナリファイル(xxxx.rpmファイル)の置き場
【図2.2.11】に、ホームディレクトリ直下へrpmディレクトリを、さらにその下へ各作業用ディレクトリを作る手順を示します。
【図2.2.11】作業用ディレクトリを作る
[mika@myhost]% mkdir -p ~/rpm/{SPECS,BUILD,SOURCES,SRPMS,RPMS}-pオプションは、途中のディレクトリがない場合、それも作成するというオプションです。
次に、初期設定ファイル「.rpmmacros」を作成します【図2.2.12】。これで作業用ディレクトリが構築時に利用されます。ここでは、catのリダイレクションを使用していますが、任意のエディタを使用してもらって構いません。
【図2.2.12】初期設定ファイルを作る
[mika@myhost]% cat > ~/.rpmmacros
%_topdir /home/mika/rpm
%_specdir %{_topdir}/SPECS
%_builddir %{_topdir}/BUILD
%_sourcedir %{_topdir}/SOURCES
%_srcrpmdir %{_topdir}/SRPMS
%_rpmdir %{_topdir}/RPMS
%tmpdir /home/mika/tmp
%_aclocaldir /usr/share/aclocal
Ctrl+D%_topdirから、%_rpmdirまでが作業用ディレクトリの指定です。なお、rpmのバージョンおよびSPECファイルの都合から、パッケージングを行う作業領域の指定である%tmpdirおよびaclocalコマンド用設定ファイル置き場、%_aclocaldirも指定しています。
次に、任意の場所に置いたSRPMファイル「cppunit-1.8.0-1.src.rpm」から、RPMバイナリファイルを構築します。rpm 3以前は、rpmコマンドで構築もおこなっていたのですが、rpm 4以降では、構築機能はrpmbuildコマンドに分離しました。Red Hat Linux 8.0Jはrpm 4ですので、rpmbuildコマンドを使用します。
単にRPMバイナリファイルを構築するだけならば、--rebuildオプションを使用するのが簡単です[4]。rpmbuildコマンドに、--rebuildオプションと、cppunit-1.8.0-1.src.rpmを指定し、実行してみましょう【図2.2.13】。
【図2.2.13】rpmbuildコマンドで--rebuildオプションを使って構築
[mika@myhost]% rpmbuild --rebuild cppunit-1.8.0-1.src.rpm
warning: user builder does not exist - using root
warning: user builder does not exist - using root
Installing cppunit-1.8.0-1.src.rpm
Executing(%prep): /bin/sh -e /var/tmp/rpm-tmp.71085
+ umask 022
:
中略
:
Wrote: /home/mika/rpm/RPMS/i386/cppunit-1.8.0-1.i386.rpm←ココ
Wrote: /home/mika/rpm/RPMS/i386/cppunit-devel-1.8.0-1.i386.rpm
Wrote: /home/mika/rpm/RPMS/i386/cppunit-static-1.8.0-1.i386.rpm
Executing(%clean): /bin/sh -e /var/tmp/rpm-tmp.65728
+ umask 022
+ cd /home/mika/rpm/BUILD
+ cd cppunit-1.8.0
+ rm -rf /home/mika/tmp/cppunit-1.8.0-root-mika
+ exit 0
Executing(--clean): /bin/sh -e /var/tmp/rpm-tmp.65728
+ umask 022
+ cd /home/mika/rpm/BUILD
+ rm -rf cppunit-1.8.0
+ exit 0すると、ちゃんちゃかメッセージが出てきます。うまくいけば、最後の方で“cppunit-1.8.0-1.i386.rpmファイルが生成された”というメッセージが出力され、最後に掃除をしたあとで終了するはずです。やっていることは、概ね2.2.1項で説明したことと同じです。興味があれば、ログを眺めて、「どこで何をしているのか」確認しても面白いでしょう。
RPMSディレクトリの下に、機種依存ディレクトリ(ここではi386)ができて、その下にcppunit-1.8.0-1.i386.rpmなどのRPMバイナリファイルが転がっているはずです。確認してみてください【図2.2.14】。
【図2.2.14】生成されたRPMバイナリファイルの確認
[mika@myhost]% ls ~/rpm/RPMS/i386/
cppunit-1.8.0-1.i386.rpm cppunit-static-1.8.0-1.i386.rpm
cppunit-devel-1.8.0-1.i386.rpm次に、このできたファイルをroot権限でインストールします。suコマンドなり何なりでrootになるか、sudoなどでroot権限を取得してください。
RPMバイナリファイルをシステムにインストールするためのコマンドは、rpmコマンドです。オプションは、-iのみでインストールを指定したことなりますが、作業状況が見えないと不安なので-hと-vの2つのオプションも指定すると良いでしょう。【図2.2.15】で、できたすべてのRPMバイナリファイルをインストールしています。cppunit-static-1.8.0-1.i386.rpmは入れなくてもいいかもしれません。
【図2.2.15】生成されたRPMバイナリファイルのインストール
[root@myhost]# rpm -hvi /home/mika/rpm/RPMS/i386/cppunit-1.8.0-1.i386.rpm
Preparing... ########################################### [100%]
- :cppunit ########################################### [100%]
[root@myhost]# rpm -hvi /home/mika/rpm/RPMS/i386/cppunit-devel-1.8.0-1.i386.rpm
Preparing... ########################################### [100%]
- :cppunit-devel ########################################### [100%]
[root@myhost]# rpm -hvi /home/mika/rpm/RPMS/i386/cppunit-static-1.8.0-1.i386.rpm
Preparing... ########################################### [100%]
- :cppunit-static ########################################### [100%]
うまく、インストールできましたでしょうか? どのファイルがどこにインストールされたかは、rpmコマンドに、-qlオプションを指定することで確認することができます【図2.2.16】。場所を確認しておいてください。
【図2.2.16】インストールされたファイルの場所を確認してみる
[mika@myhost]% rpm -ql cppunit
/usr/lib/libcppunit-1.8.so.0.0.0
/usr/share/doc/cppunit-1.8.0
:
以下略
[mika@myhost]% rpm -ql cppunit-devel
/usr/bin/cppunit-config
/usr/include/cppunit
/usr/include/cppunit/Asserter.h
:
以下略
[mika@myhost]% rpm -ql cppunit-static
/usr/lib/libcppunit.aこれで確認も済みました。何はともあれ、実際に使ってみないことには分かりませんね。続く2.2.3項は、Windows環境へCppUnitをインストールする話です。ちょっと進んで2.3節(P.XXX)が、サンプルコードの実行です。できれば、ぜひサンプルコード実行をしてみてください。
■■2.2.4 Visual C++でのインストール[5]
Visual C++ 6.0の環境でCppUnitを使用するには、ライブラリをコンパイルして、Visual C++ 6.0を設定しないといけません。具体的には、ワークスペースファイルの取り込み→構築→設定という流れになります。
以降の説明では、簡便のため「$CPPUNIT」をcppunit-1.8.0.tar.gzを展開したフォルダとします。ちなみに、ここでは「C:\home\mika\CppUnitTest\cppunit-1.8.0」に展開してみました。それらしき場所であれば、どこでもいいんだろうと思います。さっそくCppUnitの配布セットに付属するワークスペースファイルを取り込んでみましょう。
■■■■ワークスペースを取り込む
ワークスペースファイルを取り込むには、[ファイル(F)]メニューから[ワークスペースを開く(W)...]を選びます【図2.2.17】。
【図2.2.17】[ファイル(F)]メニューから[ワークスペースを開く(W)...]を選ぶ
$CPPUNIT\src\CppUnitLibraries.dswが構築のためのワークスペースファイルです。これを開くために、えっちらおっちらフォルダを下っていきます。$CPPUNITフォルダの下を眺めて【図2.2.18】、
【図2.2.18】ワークスペースファイルはどこ?
srcフォルダの下に行ってください。ここに、CppUnitLibraries.dswが転がっている【図2.2.19】ので、ダブルクリックでも開くボタンでもいいですから、とにかく開きます。
【図2.2.19】ワークスペースファイルがあった。ぺんぺんっと。
と、【図2.2.20】のようなワークスペースが現れます。
【図2.2.20】CppUnitのライブラリ構築用ワークスペースが現れた!
■■■■構築する
次に構築ですが、構築の前に現在DSPlugInになっているアクティブプロジェクトを、TestPlugInRunnerに変更しておく必要があります。[プロジェクト(P)]→[アクティブプロジェクトに設定(V)]メニューで出てくるプルダウンメニューから、[2
TestPlugInRunner]を選んで設定しておいてください【図2.2.21】。
【図2.2.21】[プロジェクト(P)]→[アクティブプロジェクトに設定(V)]でTestPlugInRunnerを選択
【図2.2.22】のようにTestPlugInRunnerがアクティブになったことを確認してください。
【図2.2.22】TestPlugInRunnerがアクティブになった
この状態で、ライブラリの構築をします。[ビルド(B)]メニューの中から、[バッチ ビルド(U)...]を選んでください【図2.2.23】。
【図2.2.23】[ビルド(B)]メニューの中から、[バッチ ビルド(U)...]を選ぼう
すると、【図2.2.24】のようなダイアログが現れます。
【図2.2.24】バッチ ビルドダイアログがでてきたぞ。
すでにチェックが入っているような気もしますが、一応【図2.2.24】で、すべてのプロジェクトが選択されていることを確認し、[ビルド(B)]ボタンを押します。えい。
すると、下のメッセージボックスみたいな[ビルド]領域に、コンパイルしてますよメッセージが表示され始めます【図2.2.25】。
【図2.2.25】なんか、コンパイルが始まった…。
これをしばらく眺めていると、(問題がなければ)【図2.2.26】のようなメッセージを出して終了します。
【図2.2.26】 なんか、終わったらしい。
なお、途中でエラーが表示された場合は、ごそごそ対処する必要があります[6]。まぁ、$CPPUNIT\lib\の下にライブラリができていたら、成功ということにしておきましょう【図2.2.27】。
【図2.2.27】とにかくライブラリはできたぞ、と。
■■■■設定をする
ライブラリが無事できあがったら、他のプロジェクトで使用するために、Visual C++にインクルードファイルやライブラリの場所を教えてる必要があります。
[ツール(T)]メニューから、[オプション(O)...]を選びます【図2.2.28】。
【図2.2.28】[オプション]メニューがこんなところに
[オプション]ダイアログが出てきますので、ここで[ディレクトリ]タブを選んでください【図2.2.29】。
【図2.2.29】[オプション]ダイアログで、[ディレクトリ]タブを選ぶ
右にある[表示するディレクトリ(S):]プルダウンメニューの中に、[インクルードファイル]や[ライブラリ]といった項目が含まれています。ここから[インクルードファイル]を選んでください。続いて、その下の[ディレクトリ(D):]という領域に、$CPPUNIT\includeという新しい行を追加してください。$CPPUNITはC:\home\mika\CppUnitTest\cppunit-1.8.0でしたので、【図2.2.30】のように追加します。
【図2.2.30】インクルードパスを追加する
ついでに、[ディレクトリ(D):]領域の右にある矢印を使用して、追加した行を上の方へ移動しておいてもよいかもしれません【図2.2.31】。
【図2.2.31】上にあげてみる
次に、[表示するディレクトリ(S):]プルダウンメニューの中から[ライブラリ ファイル]を選んでください。今度は[ディレクトリ(D):]の領域にライブラリパスの一覧が現れます。この一覧に移動し、さっきと同様に、$CPPUNIT\libを新しい行として追加してください【図2.2.32】。
【図2.2.32】ライブラリパスを追加する
ついでに上にあげておきます【図2.2.33】。
【図2.2.33】まぁついでに
同じ処理を[ソース ファイル]についても繰り返し、$CPPUNIT\src\cppunitを追加してください【図2.2.34】【図2.2.35】。[ソース ファイル]だけは、\srcではなく\src\cppunitと書く必要がありますので、注意してください。
【図2.2.34】ソースコードパスを追加する
【図2.2.35】ついでに上にあげておこう
これで、前準備は完了です。